焼成の仕組みから選ぶカヌレ型
一般的に銅カヌレ型が良いと言われていますが本当にそうなのでしょうか?
カヌレは作るのがとってもデリケートなお菓子です。最後の難関である焼成ではご利用のオーブンの熱回り(クセ)をしっかり把握し、お作り頂いた生地やオーブンに適した型を選ぶことが必要です。
お客様のお菓子作りの環境に適した型の選び方をお伝えします。
<カヌレの焼成成功パターン>
カヌレ焼成時にカヌレ型の中では次のようなことが起こっています。
1.高温で生地が素早く沸騰
2.生地内の空気と水蒸気が型底に溜まる
3.生地全体が持ち上がる(発射)
4.空気と水蒸気が生地内を上昇し通り抜けてっぺんから抜けていく
5.底に溜まった空気と水蒸気がなくなり生地全体が沈む
6.型の底も焼きあがる
<ステンレスやシリコンゴムのカヌレ型の場合>
熱通りが良くないため火が入りにくく沸騰が遅くなります。すると生地内を通りぬける力が無く空気と水蒸気が型底に溜まり続けます。発射し続けた状態で生地の底に火が入らず焼き色が付きづらい状態となり側面と上面が先に焼きあがってしまいます。
<銅やアルミのカヌレ型の場合>
熱通りが良すぎるためご家庭用のオーブンの場合はオーブンの熱の回り方(クセ)に左右されてしまいます。すると空気や水蒸気が放出される前に焼き固まったり焼きムラが発生してしまいます。逆に火力の安定した密閉性の高い業務用オーブンをご利用頂いたり、オーブンのクセを理解し使いこなせるとパリっとした仕上がりでプロの味を楽しめます。
<一般の方には鉄のカヌレ型がおすすめ>
鉄製のカヌレ型は銅やアルミよりもまろやかな熱通りのためオーブンのクセに左右されにくく焼成成功パターンのようにバランス良く熱が入ります。
<材質による焼き色の違い>
以前、お菓子作りは素人の馬嶋屋社長がカヌレ型の材質による焼き色の違いを検証しました。
詳しくはこちら↓
カヌレ型の材質による焼き上がりの違い